Masato's IT Library

Microsoftの製品・サービスを中心に,色々と書いていきたいと思います

Bash on Ubuntu on WindowsのrmはACLを無視して削除できるのか

はじめに

つい昨日,こんな記事を見かけました.

qiita.com

なんと,Bash on Ubuntu on Windowssudo rm -rf --no-preserve-root / を実行すると, /mntWindows上の C:\ がマウントされているために,Windowsが起動不可能になってしまうようです.

ここで疑問に思いました.

最近のWindowsでは,重要なシステムファイルは,Administrators権限ですら削除できないようにACL(アクセス制御リスト)でガッチガチに保護されているのでは?

ということ.

はたして,Bash on Ubuntu on Windowsでは,ACLに打ち勝ってシステムに保護されたファイルを削除できるのか,試してみることにしました.

まずはWindows側から検証

まず初めに,Windows側でいろいろ試してみたいと思います.
といっても,使っているWindowsをぶっ壊されては堪らないので,Cドライブ直下にあるWindows.oldの残骸を使います.
このWindows.oldフォルダですが,Windowsのアップグレード時に,前のバージョンやビルドに戻すためのデータを一時的に保管するために自動生成されるフォルダで,不要になればディスククリーンアップツールを使用して削除することができます. ところが,稀にSYSTEM権限でしか触れないシステムファイルが入ってしまい,通常のWindowsからは削除できずに残ってしまうことがあります.

f:id:mst8000:20160911020155p:plain:w400

エクスプローラ

まず,普通にエクスプローラから

f:id:mst8000:20160911020846p:plain:w500

はい.普通に怒られました.

コマンドプロンプト

次に,コマンドプロンプト(管理者権限)から rmdir /S .\Windows.old でいってみます.

f:id:mst8000:20160911021224p:plain:w500

無理ですね.

PowerShell

ならば,われらがPowerShell(管理者権限)で Remove-Item -Path .\Windows.old -Recurse -Force を実行.

f:id:mst8000:20160911022358p:plain:w500

こちらも盛大に怒られました.

本丸のBash on Ubuntu on Windowsで検証

では,本丸のBash on Ubuntu on Windowsでやってみたいと思います.
と思ったら,Bash on Ubuntu on Windowsを入れ忘れていた...

入れましょう

f:id:mst8000:20160911023846p:plain:w400

さて,気を取り直してbashsudo rm -rf ./Windows.old/ を実行します.

f:id:mst8000:20160911032102p:plain:w500

怒られました.よかった...

まとめ

Bash on Ubuntu on Windowsも,ちゃんとWindows側のACLに従って(あたりまえだけど)消せないものは消せないようになっています.

でも,/mnt に全ドライブマウントされているので,迂闊に sudo rm -rf --no-preserve-root / なんてやっちゃだめですよ!

Windows 10による S.M.A.R.T.情報確認用ブータブルUSBの作成方法

はじめに

HDDやSSDなどでディスク障害が疑われる場合,まず確認するのは,ディスク自体が持つ自己診断機能「S.M.A.R.T.」の情報ですね.Windowsにおいて,S.M.A.R.T.情報を確認する上で強力なツールとして,ひよひよ氏が公開している「CrystalDiskInfo」があります. 「CrystalDiskInfo」は非常に多くのディスクに対応し,Windows ServerのServerCoreインストールであっても動作しますが,OSがブートできなくては使用することができません.そこで,Windows オペレーティング システムのインストール、展開、修復に使われる,RAM上で動作する軽量Windowsの「Windows PE」を用いて,CrystalDiskInfoを起動するだけのブータブルUSBを作成してみたいと思います.

なお,Windows PEの構成に必須の「Windows ADK for Windows 10 Version 1511」はインストールが完了しているものとします.

1. [展開およびイメージング ツール環境]の起動

スタートメニューから,[展開およびイメージング ツール環境] を右クリックし、[管理者として実行] 管理者として実行します.

2. Windows PE ファイルのコピー

作業用のフォルダ(E:\)にWindows PEのファイルをcopypeコマンドを用いてコピーします.

32bit用のWindows PEの場合は copype x86 "E:\WinPE_x86" を実行

64bit用のWindows PEの場合は copype amd64 "E:\WinPE_x64" を実行(以降は64bit用で説明)

3. イメージのマウント

Windows PEのイメージファイル(boot.wim)を作業用のフォルダにマウントします.

dism /Mount-Image /ImageFile:"E:\WinPE_x64\media\sources\boot.wim" /Index:1 /MountDir:"E:\WinPE_x64\mount"

4. パッケージの追加

「WinPE-WMI」パッケージを追加します.

dism /Image:"E:\WinPE_x64\mount" /add-package /packagepath:"C:\Program Files (x86)\Windows Kits\10\Assessment and Deployment Kit\Windows Preinstallation Environment\amd64\WinPE_OCs\WinPE-WMI.cab"
dism /Image:"E:\WinPE_x64\mount" /add-package /packagepath:"C:\Program Files (x86)\Windows Kits\10\Assessment and Deployment Kit\Windows Preinstallation Environment\amd64\WinPE_OCs\ja-jp\WinPE-WMI_ja-jp.cab"

5. 日本語パッケージの追加と適用

5.1 インストールされている言語の確認

dism /Image:"E:\WinPE_x64\mount" /Get-Intl

4-1.PNG

en-USがインストールされているようです.

5.2 日本語ローカライズパッケージの追加

次のコマンドを実行します.

dism /Image:"E:\WinPE_x64\mount" /add-package /packagepath:"C:\Program Files (x86)\Windows Kits\10\Assessment and Deployment Kit\Windows Preinstallation Environment\amd64\WinPE_OCs\WinPE-FontSupport-JA-JP.cab"
dism /Image:"E:\WinPE_x64\mount" /add-package /packagepath:"C:\Program Files (x86)\Windows Kits\10\Assessment and Deployment Kit\Windows Preinstallation Environment\amd64\WinPE_OCs\ja-jp\lp.cab"

5.3 Windows PEの日本語化

続けて,次のコマンドにより,Windows PEの日本語化を行います.

  • UI 言語,システムロケール,ユーザーロケール,入力ロケールを設定
    dism /Image:"E:\WinPE_x64\mount" /Set-AllIntl:ja-JP
  • 入力ロケールを設定
    dism /Image:"E:\WinPE_x64\mount" /set-InputLocale:0411:00000411
  • タイムゾーンを設定
    dism /Image:"E:\WinPE_x64\mount" /Set-TimeZone:"Tokyo Standard Time"
  • キーボードドライバの設定
    dism /Image:"E:\WinPE_x64\mount" /Set-LayeredDriver:6
  • セットアップで使われる既定の言語を設定
    dism /Image:"E:\WinPE_x64\mount" /Gen-LangINI /distribution:"E:\WinPE_x64\media"
    dism /Image:"E:\WinPE_x64\mount" /Set-SetupUILang:ja-JP /distribution:"E:\WinPE_x64\media"

5.4 インストールされている言語の確認

dism /Image:"E:\WinPE_x64\mount" /Get-Intl

4-2.PNG

日本語(ja-JP)になりましたね.

6. CrystalDiskInfoのイメージへの追加

hiyohiyo氏のページ(http://crystalmark.info/download/)より,CrystalDiskInfoのポータブル版(zip)をダウンロードします.

6-1.PNG

なお,通常版とShizuku Editionのどちらを用いても構いません.(以降はShizuku Editionで説明する)

6-2.PNG

ダウンロードしたzipファイルを展開し,「CrystalDiskInfoX_X_XShizuku」フォルダを「CrystalDiskInfo」にリネームして「E:\WinPE_x64\mount\Program Files\」以下にコピーします.

7. スタートアップスクリプトの修正

Windows PE起動時にCrystalDiskInfo自動起動するようにスタートアップスクリプトを修正します. 「E:\WinPE_x64\mount\Windows\System32\startnet.cmd」を以下の内容に変更します.

wpeinit
@echo off
"x:\Program Files\CrystalDiskInfo\DiskInfoSx64.exe"
echo WindowsPEをシャットダウンするには「wpeutil shutdown」を使用してください。
@echo on

※64bitのWindows PEでは,64bitネイティブのアプリケーションしか動作しません.

8. イメージのコミットとアンマウント

今までの作業用のフォルダの変更箇所をイメージファイル(boot.wim)にコミットして,アンマウントします.

dism /Unmount-Image /mountdir:"E:\WinPE_x64\mount" /commit

9. ISOイメージの作成

Makewinpemediaコマンドを用いて,ISOイメージファイルを生成します.

Makewinpemedia /iso "E:\WinPE_x64" "E:\WinPE_CDI_x64.iso"

※直接USBフラッシュメモリに書き込むには,次のコマンドラインを実行します.

Makewinpemedia /ufd "E:\WinPE_x64" F: (「F:」はUSBフラッシュメモリのドライブ文字とする)

その他

デバイスドライバが必要な場合は,イメージ編集中に

dism /Image:"E:\WinPE_x64\mount" /Add-Driver /Driver:[infファイルのあるフォルダ]

とすることで,デバイスドライバを含めることができます.詳しくは次の参考ページを参照してください.

参考ページ

Windows10のAnniversary Updateを一時的に阻止する

来る8月2日,ついに我々Insidersが待ちに待ったAnniversary Update (Version1607)が降ってきますね.

blogs.windows.com

 

(8/3追記)Current Branchに降ってきましたね.

blogs.windows.com 

 

Windows 10Windows as a Service(WaaS)というコンセプトに基づき,定期的に最新のWindowsが使用できるようになります.大変ありがたいものです.

www.atmarkit.co.jp

 

ところが,某幣学では,某Symantec Endpoint Protection(SEP)の影響で,Version1607が適用できないという大問題が発生しそうです.(Insider Preview Build 14385適用時に確認)

f:id:mst8000:20160712184935p:plain

 

こればかりはどうすることもできないので,諦めてコンシューマー向けの最新ビルドが適用されるCB(Current Branch)から,4か月間の猶予があるビジネスユーザー向けのCBB(Current Branch for Business)に切り替えておくこととしましょう.同様に,「8月2日に新ビルドが降って来たら困る!」なんて人もCBBに切り替えておくといいかもしれませんね.

 

(11/7追記)
弊学にも(いつの間にか)対応するSEPが配布されていました.
 Version 12.1.6 (12.1 EU6 MP5) 以降のバージョンより,正式対応しています.

 

ここからは,現状CB(Current Branch)における最新ビルドであるVersion1511 (Build10580)を例に説明します.

設定アプリを開く

Windowsキー」+「I」もしくは,スタートメニューから設定アプリを起動します.

f:id:mst8000:20160712190931p:plain

CBBへの切り替えオプションを表示させる

設定アプリの「更新とセキュリティ」を選択します.

f:id:mst8000:20160712191201p:plain

Windows Update」タブの一番下にある「詳細オプション」を選択します.

f:id:mst8000:20160712191323p:plain

CBBに切り替える

表示された画面にある「アップグレードを延期する」にチェックを入れます.

f:id:mst8000:20160712191502p:plain

 

以上です.これですぐにはVersion1607は適用されないはずです.

 

なお,恒久的にアップグレードを阻止するにはWSUS(Windows Server Update Services)により制御する,もしくはEnterpriseエディションのLTSB(Long Term Servicing Branch)を使用する必要があるとのことです.

はじめまして

はじめまして

これから,主にIT関連の技術について,知っていることや聞いたこと,誰かの役に立つかもしれないし立たないかもしれないようなことを,つらつらと書いていこうと思います.